自転車交通の拡大を 和市計画策定へシンポ

自転車交通の拡大を目指し、通行空間の計画的整備などを定める和歌山県和歌山市の「地方版自転車活用推進計画」の策定に向けた自転車シンポジウムが16日、湊通丁北のホテルアバローム紀の国で開かれ、約60人が自転車とまちづくりについて理解を深めた。

地方版自転車活用推進計画は、自転車活用推進法に基づき、自転車交通の拡大に伴う都市環境の形成や、サイクルツーリズムの推進に向けたサイクリング環境創出などの施策を市町村の状況に合わせて定めるもの。シンポジウムでは、同市での策定に向け、有識者の事例発表や参加者からの意見を募った。

基調講演では、国土交通省近畿地方整備局の粟津誠一道路企画官が自転車活用推進計画について説明した。高い安全性を備えた自転車の供給体制整備や公共交通機関との連携といった計画の基本方針を紹介。サイクリング環境創出、自転車通勤の促進など2020年度までの計画期間に実施する施策と目標を語った。

また、モデルルートとして検討中の太平洋岸自転車ルートを紹介。和歌山市から千葉県銚子市までの約1400㌔の太平洋沿岸を走るルートで、1973年度から整備事業として着手。地域の計画で整備を進めてきたため連続性があまりないことから、統一感を持つ安全で分かりやすい環境整備が必要だとした。

後半のパネルディスカッションは、堺自転車のまちづくり・市民の会の中村博司代表、NPO法人自転車活用推進研究会関西事務局の藤本典昭事務局長、県サイクリング協会の岡本弘事務局長が登壇し、一般社団法人日本サイクルツーリズム推進協会運営委員の瀬戸陽子さんの司会で、自転車に乗る喜びや男女それぞれの楽しみ方について意見を出し合った。

和歌山市は19年度中の計画策定に向け、準備や調査を進めていく予定。

自転車交通の活用を学んだシンポジウム

自転車交通の活用を学んだシンポジウム