過去最高259億円 海南市19年度当初予算
和歌山県海南市は21日、2019年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比5・6%増の259億6936万5000円で、旧海南市と下津町が合併した05年度以降で最高額となった。特別会計と企業会計を含めた総額は同3・3%増の472億7680万8000円。
国内経済の雇用、所得環境に改善はあるものの、地方交付税の段階的な縮減などにより、市は依然として厳しい財政状況としている。経費の抑制に努めながら快適で安全なまちづくりを目指し、市民交流施設の整備などに重点を置き、全国的な食イベントの誘致や住民の市政への関心を高める住民協議会事業など、新規事業も盛り込んだ予算となった。28日開会の2月定例市議会に提出される。
編成の基本方針は昨年度に続き「財源確保と歳出抑制の徹底」「事業の選択と集中の徹底」「スクラップ・アンド・ビルドの徹底」の三つ。第2次市総合計画に掲げる「住みやすいまちづくりプロジェクト」の一環で、市民交流施設(仮称)や中央防災公園(同)の整備、道の駅整備などに集中投資を図り、人口減少に歯止めをかける施策を推進する。
主な事業は、市民交流施設建設に26億4302万円、中央防災公園整備に1億945万、防災行政無線デジタル化に1億8055万円、岡田地区浸水対策に4800万円など。
多岐にわたる事業を盛り込んだ予算案について神出政巳市長は「安心・安全なまちづくりのため防災が第一ではあるが、働く母親のサポート、にぎわいの創出にも力を入れて住みやすいと感じてもらえるまちにしたい。特産品のPRに有効な道の駅の創設や、関西から多くの親子連れが訪れる『わんぱく公園』の整備により、観光客を海南に呼び込む流れをつくり、外貨獲得にも力を入れていきたい」と話した。
〔一般会計歳入〕
市税収入は前年度比1876万円(0・3%)増の68億9611万円。このうち個人市民税は、人口減少などに伴い0・5%減の22億6300万円、法人市民税は0・6%減の4億6240万円を見込んでいる。
国庫支出金は、市民交流施設建設事業の増加などにより26・5%増の40億7495万円。県支出金は、幼児教育無償化に伴う負担金などにより1・6%増の16億6815万円。
繰入金は、減債基金からの繰り入れがなくなったことなどにより38・4%減の6億8633万円となっている。
借金にあたる市債発行額は7億5740万円(23・5%)増の39億7630万円。市民交流施設建設事業や小野田28号線改良事業などにより増加した。
〔一般会計歳出〕
公債費は、市債の繰上償還の終了により20・7%減の28億8286万円。補助費等は、ブロック塀撤去等促進事業、育児支援事業の増加などにより2・3%増の21億68万円。普通建設事業費は、市民交流施設建設事業や小野田28号線改良事業などにより43・5%増の58億3963万円となっている。
〔特別会計〕
高齢化の進展に伴う後期高齢者医療特別会計の増加などにより、6特別会計の総額で0・1%増の146億8044万円となっている。
〔企業会計〕
導水管更新事業の減による水道事業会計の減少、病院事業会計の医薬材料費の増加などにより、二つの企業会計の総額は1・9%増の66億2699万円。