味覚ゾーン整備へ 四季の郷公園刷新第1弾
2022年度に全体のリニューアルオープンを予定している和歌山県和歌山市明王寺の四季の郷公園で、エントランス部分に設け、食を楽しむ「味覚ゾーン」の整備が本格的に始まる。市が事業計画に示している「農ふれあい」「自然体感」「味覚」の三つのゾーン構成のうち最初の着手となり、道の駅として20年4月のオープンを目指す。市は19年度当初予算案に関連事業費5億1177万円を計上している。
同公園は1991年に開園。25・5㌶の敷地に植物とふれあえる自然観察の森と緑花果樹園がある自然と農業のテーマパークとして親しまれている。
レストランなどの運営に当たる事業者グループの選定には市で初めて、官民連携のパブリック・プライベート・パートナーシップ(PPP)により、民間事業者が設計から運営までを担うDBO方式を採用し、構成企業9社を決めた。
事業者グループ「四季の郷パークマネジメント共同体(仮)」は、日本旅行㈱と㈱JR西日本コミュニケーションズを代表とし、㈱MuFF、㈱KUUMA、㈱アール・エステートサービス、和歌山電鐵㈱、城善建設㈱、㈱サンライズ、proyect g oficinaの各社が参加。企業間で分担、連携して設計や建設、管理運営を行う。
味覚ゾーンのコンセプトは、縄文時代をイメージし、自然の中で食を学び、獲(狩)り、食べる「フード・ハンター・パーク」。持続可能なエネルギー循環を生むオンリーワンの道の駅を目指す。
施設はレストランと農産物直売所を整備。レストランは、現在のネイチャーセンターを活用し、駐車場付近に設ける。地元食材を活用した郷土料理を提供し、園内で収穫した野菜や果物をその場で味わえるバーベキュースペースも設置。飲食スペースは現在の40席から90席に拡大する。
直売所では、県内の契約農家との独自ネットワークで豊富な農産物を販売。食品の加工なども行い、契約農家などによる農業の6次産業化を図る「ラボラトリー・テストキッチン」を導入する。売り場面積は現在の90平方㍍から250平方㍍に大きく広げる。
公園全体では、山東地区の魅力を後世に残していく道の駅としての活用を協議。県外や外国の観光客が体験や食を目的にゆっくり滞在できるような設備を検討していく。
今後は、事業者グループと市で基本協定を締結し、3月に設計・建設に着手。来年4月のオープンを目指す。