地域に優しい絆 有功東小が加太で学習発表

和歌山市立有功東小学校6年光組の児童23人は2月26日、この1年間加太で学び、体験した内容を東京大学生産技術研究所の地域ラボで地域で発表し、協力した漁業関係者らも参加した。

早﨑大輔教諭が担任するクラスの児童は、地域の活性化に取り組む人々の思いや、課題解決に向けた取り組みを探ろうと学習をスタート。1年間に6回現地を訪れ、加太をより身近に感じられるよう、栽培漁業センターから譲り受けたタイの稚魚を学校で大切に育てるなどしてきた。

発表では、せり市場の見学や、タイ釣りの体験、紅葉鯛祭りに参加したことなどを報告。漁師やまちの人、観光客らに加太の良いところ、昔と今で変わった点、大変に感じることなどをインタビューし「観光客は増えているのに、なぜ人口が減っているのか」などの疑問について話し合ったといいう。

活動を振り返り「ご近所さんで助け合っている」「大変そうに思える暮らしも、優しいつながりがあるから大変じゃないんだと感じた」と発表。加太を盛り上げようと、考案したポスターも紹介した。

発表後は海岸で、稚魚から育てたタイ4匹を海に帰し、名残惜しそうに見送った。

西野瑠夏君は「加太の人は、みんな協力しながら暮らしていると思った。自慢のタイもあって、自然もいっぱいで人も優しい。僕も加太に住んでみたい」とにっこり。加太漁協の役員、幸前?泰さん(50)は「加太にこれほど興味を持ち、調べてくれてうれしい。自分たちには当然のように感じていたことも、実は大切なものだと気付かされた。大きくなってからも加太に遊びに来てもらえればうれしい」と話していた。

加太で学んだことを発表する児童たち

加太で学んだことを発表する児童たち