小舟に揺られ人形が海へ 淡嶋神社で雛流し
女の子の健康と健やかな成長を願うとともに人形を供養する伝統行事「雛(ひな)流し」が3日、和歌山県和歌山市加太の淡嶋神社(前田智子宮司)で行われ、納められたひな人形が小舟に積まれ、参拝者が見守る中、近くの海岸から流された。
本殿には約5000体のひな人形が並べられ、清めの儀式やおはらいをして祝詞を奏上。人間の身代わりとしてけがれなどを託す形代(かたしろ)を舟に入れた後、みこが参拝者に人形の顔を見せながら、約400体を3艘(そう)の舟に積み込み、女性参拝者が近くの海岸へ運んだ。前田宮司がひな人形の役目をねぎらった後、人形は桟橋から海へ流された。
石川県から初めて訪れた亀田はるみさん(58)は「流れていく姿がどこか寂しく印象的。とても良いものが見られました」、和歌山市の木村喜裕さん(51)は「初めて参加しましたが神事らしく厳か。ひな人形を丁寧に舟に積む姿が心に残りました。来年も参加したい」と話していた。