キャッシュカード詐欺多発 県警が街頭啓発

キャッシュカードをだまし取る特殊詐欺が多発していることから、県警は8日、被害に遭わないよう高齢者を中心に注意を呼び掛ける街頭啓発活動を、和歌山県和歌山市手平の和歌山ビッグホエール敷地内で行った。

同所ではこの日、芸能界で特殊詐欺被害防止を呼び掛ける「ストップ・オレオレ詐欺47~家族の絆作戦~」プロジェクトチーム(SOS47)のメンバーで、特別防犯対策監の杉良太郎さん、特別防犯支援官の伍代夏子さんらプロ歌手が出演する「第1回演歌・歌謡曲の祭典in和歌山」が開かれ、詐欺のターゲットにされやすい高齢者らが多く訪れることから、詐欺の手口などを知ってもらうおうと実施した。

啓発には生活安全企画課員、特殊詐欺被害防止アドバイザー、防犯アドバイザー、和歌山東署員の約30人と県警のキャラクター「きしゅう君」が参加。「改元のためキャッシュカード変更手続きが必要」などの詐欺の主な手口、被害防止に役立つ自動通話録音機能が付いた電話機の案内などを記したチラシやポケットティッシュ約4000セットを来場者に手渡し、一人ひとりに説明して被害防止を訴えた。

知人が詐欺の電話を受けたという同市の70代女性は「『詐欺に注意』などのチラシを家に貼っている。被害に遭わないように意識したい」と話し、同課の岡畑好紀犯罪抑止総合対策室長は「キャッシュカードを渡さない、暗証番号を教えないようにし、被害を防いでほしい。不審な電話があれば警察に相談を」と呼び掛けていた。

3月末までの県内の特殊詐欺被害は5件(前年比13件減)、総額1303万円(同4876万円減)。被害者はいずれも女性で、和歌山市が4件、橋本市が1件だった。

来場者に詐欺被害防止を呼び掛ける警察官

来場者に詐欺被害防止を呼び掛ける警察官