決勝に進むのはどこか 高校野球きょう準決勝
第101回全国高校野球選手権和歌山大会は28日に和歌山県和歌山市毛見の紀三井寺球場で準決勝2試合が行われる。甲子園への夢の切符を手にするのはどの高校になるのか。準決勝の2試合を展望する。
【第1試合 南部―智弁和歌山】
3連覇を目指す智弁は投打ともに安定している。打線は林晃汰(現広島)ら長距離打者が並んだ昨年ほどの迫力はないが、3試合連続で2桁安打を記録。粉河との3回戦では本塁打2本で突き放した。11打数7安打と当たっている3番の西川に好機で回したい。投手陣は計5人の投手が登板し、いまだ無失点。140㌔台中盤の直球と鋭い変化球で圧倒する池田陽、小林樹を中心に安定している。
南部は準々決勝で選抜8強の市立和歌山を破るなど勢いがある。投手陣は3試合で5失点。ともに完投能力のある右の周家か左の鎌倉海が先発し、右横手の三木が救援で待機する。打線は本塁打こそないが、上位から下位まで切れ目がなく、9番の奈良は近大新宮との3回戦で3打点。昨秋の新人戦では智弁に勝っており、再現を狙う。
【第2試合 那賀―熊野】
那賀のエース・谷脇は29回と3分の1を投げわずか1失点。対戦した打者が「目の前で消えた」と振り返る鋭いスライダーを武器に39奪三振をマーク。本人も「調子は上がっている。体力も不安はない」と大一番での快投に自信を見せる。打線は4試合で32得点。4番の千野は打率5割超、長打5本と好調。1番の雑賀が準々決勝で4安打を放つなど上り調子なのも心強い。失点が計算できるだけに、打線が早めに援護したいところだ。
熊野は23年ぶりの4強。初戦でシード校の海南に大勝し、準々決勝では箕島を退けた。エースの桃原が肘の故障で登板を回避する中、投手を始めて約1年半の1年・久保が26回を4失点と好投。最速は120㌔台中盤だが、制球が良くチェンジアップで打者のタイミングを外す。「ピンチになるほどギアを上げる」と話すなど気持ちも強い。打線は海南戦の6回に5点、箕島戦の8回に6点を挙げるなど集中打が光る。8打点と勝負強さが光る3番の丸山に好機で回したい。