環境に優しいSL 有田川町で乗車体験
国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)を広めようと、D51形蒸気機関車を所有するアチハ㈱(本社=大阪市住之江区)と和歌山県有田川町は10~12日、同町徳田の有田川鉄道公園で環境問題の啓発イベントを実施。親子連れらが蒸気機関車(SL)がけん引する客車に乗り、汽笛を楽しみながら環境保護を考えた。
同社は約2年前に個人の所有者からSLを購入し、同公園に搬入。ことしの5月に不要になった天ぷら油などを集めて、SLのバイオ燃料にし今回の乗車体験に使用した。
SLには、前面にヘッドマークを付け、側面に「SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS」のペインティングを施した。
10日には中山正隆町長と同社の阿知波みどりCSR推進室室長が出席し出発式典を挙行。ヘッドマークの除幕の後、来場者全員の掛け声で汽笛を鳴らし出発した。
一日4便の乗車体験があり、11日には大勢の家族連れが来場。鉄道交流館前駅から子どもたちの「出発進行!」の大きな掛け声とともに約400㍍先の金屋口駅へ。到着後はSLと写真を撮って大きさや迫力を楽しみ交流館前駅に戻った。
大阪府茨木市の宮下青空さん(12)は「初めてSLを見たけどすごくかっこいい。これが走っていたのかとびっくりした。車内に入る風も気持ち良かった」と笑顔だった。
同社CSR・環境経営推進室の次田尚弘室長は「食べ物を無駄にしないことや、水を使い過ぎないことなどエコへの心掛けを乗車体験を通じて学んで家でも実践してほしい」と話していた。