水道事業の安定継続へ 県がビジョンを策定
和歌山県は29日、水道の基盤強化に向けた取り組みを策定した「和歌山県水道ビジョン」を発表した。
10月に施行される改正水道法を前に、県と市町村、県民が取り組む将来の指針としてことし6月に策定。ビジョンでは水道の持続的経営のための経営戦略、病院や避難所など重要給水施設への配水ルート確保、安全な水道水の供給を市町村の当面の取り組みとして県が策定を支援する。
県内の水道事業は人口減少に伴う料金収入の減少、職員の減少に伴う技術基盤の脆弱(ぜいじゃく)化、管路の老朽化などの課題を抱えており、安定した事業継続が難しくなっている。全てを改善しようとすると水道料金の負担が大きくなってしまうという。
また、市町村ごとの取り組みで課題を解決できない場合に向けて、県では広域連携についても協議。5圏域を設定し、市町村間で浄水場など施設の共同化や管理の一体化をすることで、サービス向上や維持管理費の低減を図る。
発表した食品・生活衛生課ではビジョンに基づき市町村に計画策定に取り組んでもらうとともに、県民には水道がどのような状態にあるのか、これからどうしていくべきかを考え、議論してもらいたいとしている。
水道ビジョンは県のホームページでも公開中。