福を呼び込む縁起物 各地で「えべっさん」
七福神の恵美須神に商売繁盛などを祈願する「えべっさん」が9日、和歌山県内でも各地の神社で始まった。10日の本戎、11日の残り戎まで3日間、多くの参拝客でにぎわう。
東の宮恵美須神社(和歌山市吉田)では早朝から参拝客が訪れ、神社と、隣接する法輪寺へとお参り。小判や鯛など縁起物が付けられた笹や熊手を買い求め、福娘から新しい飾りを受け取り、古い飾りを返した。
総代の中野孝司さん(68)は「ことしは年始からいろいろなことがあった。お参りに来てもらって、良い福を持って帰ってもらいたい」と話していた。
同神社では恵美須神の総本宮である島根県の美保神社から神職らが訪れ、10、11日ともに福を呼び込む「悪斬の舞」を披露する。
春日神社(同市松江中、閏野浩志宮司)では、午前から高齢者のグループや家族連れらが多く訪れてにぎわった。紅白の「のしあめ」や商売繁盛を祈るお守りなどが販売され、参拝を終えた人たちは福を手にしようと買い求めた。
閏野宮司は「えべっさんは昔から行われている伝統のお祭り。ぜひ足を運んで商売繁盛や家内安全を祈願してほしい」と話し、家族4人で訪れた市内の会社員、岩橋裕さん(34)は「近くに引っ越してきたので初めて来ました。家内安全と商売繁盛を祈り、地元の行事に参加できて楽しかったです。家族みんなが元気で幸せに過ごせる一年にしたいですね」と話していた。