深海ザメ「ラブカ」展示 24日まで自然博物館

深海に生息するサメの一種で、〝生きている化石〟と呼ばれる「ラブカ」の標本が2月24日まで、和歌山県海南市船尾の県立自然博物館で展示されている。

このラブカは、16日に太地町沖の熊野灘の水深約550㍍で釣り上げられ、生きたまま串本海中公園に搬入、展示されていたが、翌17日に死亡し、18日に同館に寄贈された。

全長128・9㌢、性別は雄で、写真撮影や計測を行った後、解剖し、防腐処理などを施して標本とした。全身と、取り出した内臓を見ることができる。

ラブカは主に水深120~1500㍍に生息。一般的なサメはえら穴が5対だが、ラブカには6対あり、一番前のえら穴の左右が下部で癒合するなど、原始的な姿をしている。

県内で発見されるのはまれで、1923年と85年にみなべ町沖で捕獲された標本に次いで今回が3体目。同館での展示は初めて。

國島大河学芸員(29)は「他のサメも展示されているので、ラブカとの違いを見てほしい。昔のサメはこんな不思議な姿をしていたんだなと知ってもらえれば」と来館を呼び掛けている。

展示場所は同館玄関ホール。開館時間は午前9時半から午後5時(最終入館は4時半)まで。入館料480円(高校生以下、65歳以上は無料)。月曜休館(祝日の場合は次の平日に振り替え)。

問い合わせは同館(℡073・483・1777)。

「生きている化石」ラブカに驚く来館者

「生きている化石」ラブカに驚く来館者