直下型地震に備えて 震災9年、近大で対応訓練
東日本大震災の発生から9年を迎えるのを前に10日、和歌山県紀の川市西三谷の近畿大学生物理工学部で災害対策訓練が行われた。教職員ら約100人が参加し、避難誘導、救出救助訓練などを実施した。
キャンパスは中央構造線断層帯の一部である根来断層・桜池断層・五条谷断層が通ることから、同学部ではこれまでに訓練を重ね災害対策を強化してきた。
今回は震度6強の非常に強い揺れが約10秒間続き、建物内で火災が発生したとの想定で行われた。
地震の発生後、教職員らはすぐに机の下に隠れて身を守るシェイクアウト訓練を実施し避難を開始。学部長や事務部長以下職員で現地本部を設置して情報の収集と東大阪キャンパスとの連携を図った。
西1号館3階の会議室で火事が発生したとし、職員により構成される地区隊で初期消火をして現地本部に状況を伝え、
那賀消防組合中消防署員副署長ら5人は地上から18㍍の屋上に避難した要救助者を40㍍級のはしご車で救出した。
同大学消防団員として参加した人間工学科4年の鮎川大樹さん(22)は「落ち着いて訓練ができ、災害について考える良い機会になった。自分の身は自分で守れるようにしたい」と話した。