五輪会場「茨城カシマスタジアム」

 前号では、茨城県鹿嶋市にある常陸国一宮の鹿島神宮と、徳川家による信仰を取り上げた。今週は鹿島神宮に程近く、東京五輪のサッカー競技会場となる県立カシマサッカースタジアムを紹介したい。
 同スタジアムは、鹿島神宮から北東へ約2・5㌔に位置するサッカー専用スタジアムで1993年に完成。2001年には2002FIFAワールドカップ開催のため4万人以上を収容する規模に改修。2011年の東日本大震災で大きな被害を受けるも改修工事が進み、震災から9年を経た現在は茨城県における復興のシンボルとして親しまれている。
 2017年7月、スイスで開かれた国際オリンピック委員会の理事会で、東京五輪のサッカー競技会場として承認。大会時は「茨城カシマスタジアム」の名称となり、県内では開催を告知する案内表示や、東京方面を結ぶ高速バスの車体へのラッピング広告など、さまざまな取り組みが進められている。
 このスタジアムはJリーグ・鹿島アントラーズのホームスタジアムとしても知られる。かつては旧住友金属工業が主たる株主であったことから、和歌山県内でもアントラーズのファンとして現地を訪れた方も多いのではないだろうか。スタジアムの歴史や、これまでのアントラーズの歩み、2002FIFAワールドカップの記録などを紹介するミュージアムもあり、ファンの方にお勧めしたいスポット。
 東京五輪では7月23日から男子の予選が始まり、8月3日に女子の準決勝、4日に男子準決勝、6日に女子3位決定戦が行われる予定。東京五輪の開催まで4カ月と少し。茨城県では機運がますます高まっている。  (次田尚弘/鹿嶋市)