接客伴う飲食自粛を要請 県が対応を強化
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、和歌山県は12日、対策の強化を発表。政府方針を受け、バーやナイトクラブをはじめ繁華街の接客を伴う飲食店などの利用自粛を県民に強く求める他、可能な限り在宅での勤務を呼び掛け、県内の感染者がさらに増加した場合に備え、一般病院でも軽症者を受け入れる病床を確保するなどの医療体制の整備を進める。
8日に県が県民に対して行った外出自粛などの「お願い」をさらに強く打ち出した。接客を伴う飲食店の利用自粛は、安倍晋三首相が11日に全国的に要請したことを受け、改めて県民にも求める。
生活用品の買い物などの外出も必要最低限の人数で行い、家族で出掛けることなどを避けるよう呼び掛けている。
緊急事態宣言の対象区域7都府県との往来に関しては、通院の場合も、診療や処方箋の発行などを電話で依頼し、通勤も、テレワークの活用で在宅勤務にするなどし、可能な限り出掛けないよう求めている。
対象区域の医療機関への通院を避けるのが困難であったり、在宅勤務や時差出勤に職場の理解が得られなかったりする場合は、窓口へ相談するよう呼び掛けている。健康に関する内容は健康推進課(℡073・441・2170、24時間対応)、事業者に関する内容は商工観光労働総務課(℡441・2725、平日午前9時~午後5時45分)。
医療体制の整備では、現在は感染症指定医療機関の感染症病床で患者全員を受け入れているが、患者が増加した場合に対応できるよう、重症者の受け入れを指定医療機関の一般病床の一部に拡大し、一般病院にも軽症や無症状者のための病床を設ける。さらに患者が多くなった場合には、病状が回復し、経過観察が必要な患者を受け入れるスペースをホテルなどに確保する。
病床確保に協力する医療機関の経営にマイナス影響が出た場合に県が補填(ほてん)する独自策も準備し、費用は国の交付金を充てる予定。
さらに、患者に対応する医師や看護師ら医療従事者の疲労を軽減するため、県が費用を負担し、医療機関の近隣のホテルに滞在できるようにする。
7都府県から帰省や転勤してきた人には、引き続き2週間の自宅待機と「県庁帰国者・帰省者・転勤者連絡ダイヤル」(℡441・2170、FAX431・1800)への連絡を呼び掛けており、12日までに414人が登録している。
また、老人ホームなど集団生活を行っている施設での感染には特に注意が必要だとし、職員の感染防止対策や健康観察の徹底、利用者らの食事を個別の盛り付けにすること、家族などが面会する際に施設内に入らないようにすることなどを改めて求めている。
12日に県庁で記者会見した仁坂吉伸知事は、県内の感染が収まっていないことや都市部での感染防止対策が厳しさを増していることなどを挙げ、「県民の皆さんにお願いするレベルを上げたい」と述べ、きょう、どうしても必要ではない外出を自粛するなど、一人ひとりへの協力を要請した。