献血「不要不急」ではない 協力を呼び掛け
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、県内の献血者数が減少している。医療体制維持の観点から、緊急事態宣言下でも献血は「不要不急の外出にはあたらない」とされている。安定した輸血用血液の確保には一時的に集中するのではなく、継続的な協力が必要だといい、和歌山県赤十字血液センターでは「緊急事態宣言が発令された状況下でも献血は必要です。安定的な確保にご協力をお願いします」と呼び掛けている。
同センターは、過去3年間の県内医療機関への供給実績を基に、採血計画を立てており、4月1日から22日までの県内採血状況はマイナス235人分(400㍉㍑献血換算)。計画を達成した日は、わずか6日だった。
2月下旬から3月上旬にかけ、全国的に献血者数が減少したが、競泳の池江璃花子選手が3月5日に自身のツイッターで協力を呼び掛けたことで、一時的に協力者は増えた。しかし、4月7日の政府による緊急事態宣言後、協力者は激減。外出自粛による影響や、イベントの中止などで献血バスが稼働できなくなったことが主な原因だという。県内でも今月、企業や学校、イベントの15会場が中止になった。
同センターでは、献血会場の安全を確保するため、全職員、協力者のマスク着用(ない場合は提供)、献血バス内の換気や機器の消毒、乗車人数の制限、採血スタッフの手袋の着用(献血者毎の交換)など、対策を徹底。少しでも安心して協力してもらえるよう体制を整え、スーパーなど街頭を中心に、献血バスでの協力を呼び掛けている。
血液製剤には有効期限があり、赤血球製剤の期限は、採血後21日間。このため、一日に多くの協力が集まるよりも、数日にわたり一定の協力者が協力するほうが、より安定した血液製剤の供給につながるという。
緊急事態宣言下であっても、血液の必要量が変わることはない。同センターは「このままの状況では、医療機関へ安定供給ができなくなる恐れがある」とし、献血への理解と積極的な協力を呼び掛けている。
和歌山市美園町の和歌山駅前献血ルーム(金曜定休)でも受け付けているが、「3密」を避けるため、訪問する場合は事前に電話で同所に確認(℡073・427・2770)を。献血バスの運行スケジュールは同センターホームページ(http://www.bs.jrc.or.jp/kk/wakayama/)で確認できる。