5月中の給付開始目指す 和歌山市コロナ対応

和歌山市は4月30日、新型コロナウイルス感染症に関する国の緊急経済対策に必要な総額374億7226万円の補正予算について、市長専決を行った。1人あたり10万円の定額給付金は、5月中の給付開始を目指して準備を急ぐ。大型連休の本格スタートを前に、他府県からの来訪者の増加が予想される海岸周辺の市管理駐車場を閉鎖し、啓発パトロールを行うことなども発表した。

30日の定例記者会見で尾花正啓市長が明らかにした。

補正予算の内容は、定額給付金に369億3095万円▽児童手当受給世帯の子ども1人あたり1万円の臨時給付金に4億7537万円▽新型コロナのPCR検査費用の公費負担に3982万円▽患者の入院費の公費負担に1659万円▽国民健康保険加入者への傷病手当金支給に951万円――となっている。

定額給付金は、市内で約36万6000人(約17万5000世帯)が対象。マイナンバーカード所持者が利用できるオンライン申請は5月7日から受け付け、中旬に給付を始める予定。郵送申請は、申請書を中旬に発送し、5月中に給付を開始できるよう金融機関などとの調整を急ぐとしている。

配偶者などからの暴力(DV)を理由に避難している人は、世帯主でなくても給付金を受け取ることができる。市は7日までに申し出るよう呼び掛けており、連休中も毎日、男女共生推進課(℡073・436・8704、午前9時~午後4時)で相談を受け付ける。

 

海岸付近を警戒 パトロール実施

他府県からの来訪者が多いと予想される場所では対策を強化する。市が管理する親子つりパーク前、雑賀崎漁港、浪早ビーチ、片男波の4カ所の駐車場、計679台分はすでに閉鎖した。

浜の宮、片男波、浪早、加太の各海水浴場などには青色パトカー2台によるパトロールと啓発放送を行い、府県を越えた移動の自粛、市民への不要不急の外出自粛を呼び掛ける。

県からの休業要請に応じていないインターネットカフェへの見回りも実施し、商業施設などで行っている来店状況調査の対象に、大型古書店を加える。

尾花市長は「一番心配しているのは県外からの来客が増えること。今は和歌山市に来ないでほしい。市内の人もできるだけ家にいてもらいたい」と話した。

緊急経済対策の予算を説明する尾花市長