「はじまりの花火」鮮やかに 県内2カ所で
来夏に延期となった東京五輪の開会式が予定されていた24日夜、日本青年会議所による全国一斉花火打ち上げプロジェクト「はじまりの花火」が行われ、和歌山県内では有田川町と御坊市の夜空を彩った。都市部を中心に新型コロナウイルスの感染が再拡大し、閉塞感が広がる中、希望や励ましを届けるひとときとなった。
同会議所は「あたらしい日本がはじまる日」だった同日に合わせ、新型コロナの収束がまだ見通せない中でも、新しい暮らし方や働き方、学び方、遊び方などそれぞれ新しい自分をスタートする合図にしようと、今回のプロジェクトを企画。全国各地の青年会議所、花火業者と連携し、約120カ所で打ち上げを準備してきた。
和歌山では、県内唯一の花火製造販売会社、㈲紀州煙火(同町西丹生図、藪田さゆり社長)が協力し、2カ所で各75発が用意された。
同町では、花の里河川公園(同町庄)近くの有田川河川敷で打ち上げが行われた。雨脚が強まる中、1分半ほどの短い時間ながら、青や赤、緑など鮮やかな光の大輪が開いた。
有田青年会議所の岡田浩儀理事長(39)は「本来は五輪が行われていた日。医療従事者の方々への感謝の気持ちも込めて、コロナに臆することなく、前を向いていこうという思いです。無事に終えられて良かった」と話していた。
御坊市では塩屋町北塩屋の日高川河口南約200㍍で打ち上げ。雨まじりの強い風が吹く悪コンディションだったが、午後8時から数分間の打ち上げの間は雨もなく、色とりどりの花火が夜空を彩った。
御坊青年会議所の中村英貴理事長は「直前まで降っていた雨が花火の間だけやんで、みんなの願いが届いたのだと思いました。無事打ち上げることができて良かったです」と笑顔だった。