英語で夢叶えたい 中西健志さんスピーチ発信

英語のスピーチに取り組み、さまざまなコンクールで入賞している和歌山県和歌山市の中西健志さん(20)は、新型コロナウイルス感染症による外出自粛期間を使ってSNSでのスピーチの発信を始めた。中西さんは「今は夢をテーマに原稿を書いている。いろいろなコンクールが中止になっているが、いつかキング牧師の『I Have a Dream』をやってみたい」と話す。

ダウン症候群の中西さんは、幼少期から英語に興味があり、通信制高校で英語を勉強。現在は英語検定の合格に向けて長文問題を中心に学んでいるという。

ことし1月に東大阪大学で開かれた弁論大会に参加。「With Twenty Year’s Gratitude(二十歳の感謝)」という演題で、20歳まで自分を支えてくれた家族への感謝と、体が弱かった幼少期に踊りを勧めてくれた祖母を笑顔にしたいと「よさこい」に取り組んだ体験を発表し、準優勝した。しかし、その後の新型コロナウイルスの影響で弁論大会やコンクールはほとんどが中止になった。

そこで、ツイッター上で「#乗り越えよう和歌山」というハッシュタグを見つけた。イングリッシュカフェなどで知り合い、英語の原稿を添削してくれる講師らにスピーチを聞いてみたいと言われたことや、スピーチを聞いた人から他の人にも聞かせてみてはと勧められたことで、コンクールもないため動画を発信してみようと原稿を書き始めた。テーマは「Health and Motivation(健康とやる気)」。健康の大切さとどんなときも頑張れる力について訴えた。動画を見た小学校時代の友人からも反応があったという。

中西さんはさらに、スピーチの演題を分かりやすく伝えるために始めた英語の書道もSNSに発表。アートでコミュニケーションに取り組む「art home FURARI」によるコロナウイルス収束後の未来を想像する作品を集めた動画「未来の地球アートの輪プロジェクト~ we are the world ~」にも参加し、「Let’s overcome difficulties(困難を乗り越えよう)」の書道作品を発表した。

今後は原稿の作成期間も踏まえ、3~4カ月に1回のペースで自身のスピーチを発信したいとしている。

中西さんは「20歳で感謝を伝えるスピーチができて良かった。これからも元気に、夢を持って活動していきたい」と話している。

 

「夢を持って活動したい」と中西さん