マンボウで疫病退散? 和市立博物館の木版画話題

和歌山県和歌山市湊本町の市立博物館では、江戸時代後期とみられるマンボウの木版画を展示中。コロナ禍の「アマビエ」のように疫病退散を願ったとみられ、話題となっている。

A4判ほどの大きさ。ユニークなタッチでマンボウとみられる魚が大きく描かれ、右上に「疫病除ヶ」の文字がある。左上には「満方 壹(一)丈五尺四方」と寸法が書かれる。1丈5尺は約4・5㍍。疫病退散の願掛けの絵としてはことし有名になった「アマビエ」の他、桃などもあるが、マンボウは文献などにも例がないという。

数年前に亡くなった市内の男性収集家の寄贈品の中から、同館職員が発見。多岐にわたるジャンルから多くの寄贈品があり、この木版画を見つけたのは最近のこと。作者は不明だが、19世紀前半ごろの作とみられる。13日まで展示の予定だったが、来館者から好評で「もっと長く展示してほしい」の声があり、30日までに延長する。

休館は月曜(21日開館、23日休館)。開館時間は午前9時~午後5時(入館は4時半)。大学生・大人100円(20人以上の団体は1人80円)。高校生以下は無料。詳細は同館(℡073・423・0003)。

 

「疫病除ヶ」と書かれたマンボウの木版画