下落率9年ぶり拡大、上昇地点減 地価調査

和歌山県は29日、県内213地点の2020年地価調査の結果を発表した。県全体の平均変動率は、住宅地が1991年から30年連続、商業地は92年から29年連続の下落。下落率は住宅地、商業地ともに9年ぶりに拡大した。和歌山市の商業地の平均変動率は5年ぶりに下落した。

地価調査は、毎年7月1日を価格時点とし、基準地の価格を判定する。

県内の林地を除く全用途の平均変動率は1・3%の下落で、2012年から8年連続で縮小していた下落率は、昨年の1・1%から9年ぶりに拡大した。前年からの継続調査地点201地点のうち、価格が上昇したのは7地点、横ばいは28地点、下落は166地点だった。

用途別では、住宅地の平均変動率が前年比マイナス1・4%となった。価格上昇地点は4地点(昨年11地点)で、うち3地点を和歌山市が占め、もう1点は串本町だった。県地域政策課によると、価格上昇地点は駅や商業施設などに近い地域が多く、紀南地方では、津波被害の懸念から高台の住宅地で価格の上昇が見られる。

商業地は平均変動率がマイナス1・1%。価格上昇地点は3地点(昨年8地点)で、いずれも和歌山市中心部の施設が集積した地域だった。同市の平均変動率はマイナス0・1%で、昨年の0・3%から5年ぶりに下落した。

工業地の平均変動率はマイナス1・4%。下落率は昨年のマイナス1・0%から拡大した。

都道府県別の全国順位(上昇率の高い順)は、住宅地が前年より2位上げて37位。商業地は前年より3位上げて26位となった。近畿2府4県の中では住宅地が前年より1位上げて5位、商業地は前年と同じ6位。

価格上位地点は、住宅地の最高が8年連続で「和歌山市吹上4丁目6番10」。1平方㍍あたりの価格は19万4000円で前年と同じだった。商業地は「和歌山市友田町5丁目50番外」が22年連続で最高価格地点となり、1平方㍍あたりの価格は44万2000円で前年より0・2%増だった。

商業地の県内最高地点となった「和歌山市友田町5丁目50番外」付近

商業地の県内最高地点となった「和歌山市友田町5丁目50番外」付近