国内農業の現状語る JA全中の中家会長
第126回和歌山放送情報懇談会が16日、和歌山県和歌山市内のホテルであり、全国農業協同組合中央会(JA全中)の中家徹会長が国内農業の現状について講演し、約100人が聴き入った。
中家会長は田辺市出身。県農協中央会会長を経て2017年からJA全中の会長を務めている。
講演は「持続可能な食と地域を考える」がテーマ。中家会長は「食を取り巻くリスク」として食料自給率の低迷、農業生産基盤の弱体化、自然災害の頻発、世界的な人口増加、国際化の進展を挙げ、「さざ波のごとくリスクはじわっと高まっている」と強調した。
農業生産の基盤となる人と農地について、「農業をする人が高齢化しており、新規就農する人の数が離農する人の数に追い付いていない。条件の良い優良農地が宅地や工業用地に転用されるケースが多い」と状況を説明し、株式会社による農地所有にふれ「注視していく必要がある」と話した。和歌山が全国に誇るミカンについても生産量がピーク時に比べて大幅に落ち込んでいることを説明し「表年もなかなか(生産)量が出ない」と状況の厳しさにふれた。
今後懸念されることに食料不足を挙げ、「世界の人口増加に食料生産が追い付いていない。食料問題は今後ますます大きな問題になるだろう」と話した。