文韓国大統領と総理特使として会談 北朝鮮の暴挙に緊密連携を確認
去る6月10日から4日間の日程で安倍晋三内閣総理大臣の特使として、韓国を訪問し文在寅(ムン・ジェイン)大統領、李洛淵(イ・ナギョン)国務総理をはじめ、与野党の国会議員と幅広く意見交換を行ってまいりました。訪問団には経済界や地方自治体を中心に360名の皆さまにご参加いただきました。日本と韓国の関係は誰もが認める最も重要な二国間関係であります。5月に就任した文大統領は政権発足直後に日本に大統領特使を派遣し、羽田空港到着後、真っ先に自民党幹事長室を訪問いただきました。特使は首脳レベルのシャトル外交を提案し、安倍総理も私もそれに賛意を示しました。
その後、安倍総理と相談の上、日本からどの国よりも早く特使の返礼を行うこととなりました。
近頃、北朝鮮問題をはじめ韓国と協力すべき課題が山積する一方、両国関係は必ずしも良好とはいえない状況にあります。しかしながら、私は常々こんな時こそ両国の政治のリーダーが直接会って、意見を交換し合うことが何よりも重要であると考えます。文大統領との会談は予定の30分を大きく超え、1時間以上にわたり、北朝鮮情勢を中心にさまざまな分野について率直に本音での意見交換を行いました。特に私は、両国首脳の直接対話が何よりも重要であると伝えると、文大統領は強く同意されました。その結果、7月のG20での首脳会談につながることとなりましたが、今後も相互往来も含めて、両首脳の間に揺るぎない「未来志向」の信頼関係が構築されることを願いたいと思います。
また、長くて深い両国の歴史の中には時々の政治情勢に決して左右されない「民間交流」の歴史があったことも忘れてはなりません。私は今回の訪韓にあたり、最初にソウルではなく、全羅南道の木浦市を訪問することとしました。木浦は私の盟友中の盟友である朴智元(パク・チウォン)前国民の党代表の選挙区であるとともに、高知県出身の田内千鶴子さんが戦前・戦後を通じて韓国人の夫と共に3000名もの孤児を育てた「共生園」が運営されている地でもあります。私はこの孤児院を同志の皆さまと一緒に訪問し、先人の偉業に感謝をしつつ、日本と韓国にある「良い話」を両国の国民レベルにもっと広げなければならないと強く感じました。
私たちの故郷・和歌山にも、作家の神坂次郎先生の著書『海の伽耶琴』に記されている通り、紀州雑賀鉄砲隊をルーツとする「沙也加」の逸話が存在します。今も和歌山市と韓国・大邱市との間に中学生同士の交流をはじめ、さまざまな民間交流が続いていることを承知しています。ソウルでは大規模な観光業界の交流イベントにも参加しました。2018年には韓国・平昌(ピョンチャン)で、2020年には東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。大会の成功に向け、相互に協力し合うことを誓い、加えて、2025年の大阪万博に対する支持も要請してまいりました。
北朝鮮問題が緊迫する中で、さらに重要度を増す韓国との関係について、政府と連携しながら、自民党としても緊張感を持って対応してまいりたいと思います。