東日本大震災1年 和歌山市の各地で法要

 2万人近い死者、 行方不明者を出した東日本大震災の発生から一年を迎え11日、 和歌山市内の各地では、 犠牲者の追悼や被災地の復興を祈願する法要などが行われ、 発生時刻の午後2時46分には、 黙とうがささげられた。

 立正佼成会・和歌山教会 和歌山市西浜の同教会(河村蓉洞協会長)では、 会員ら120人が集い、 犠牲者の慰霊、 復興祈願の法要を行った。 法要は全国238カ所の同会の教会で一斉に行われ、 各教会ごとに犠牲者の名前が書かれた札を祭り、 冥福を祈った。
 和歌山教会では犠牲者の名前の書かれた札を前に、 会員らは手を合わせ深く頭を下げた後、 声をそろえて経を読み上げていた。

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 浄土真宗派・鷺森別院 県仏教会(前田定戒会長)は同市鷺森の同別院で法要を行い、 同会、 市仏教会(池田典生会長)、 県青年僧の会(補陀寛之会長)の僧侶ら、 一般の参列者を含めて約150人が集まった。
 これまで、 別々に募金活動を展開し、 被災地に義援金を送ってきたが、 一周忌に当たり宗派に関係なく実施することにした。
 震災発生時刻には全員が起立し、 手を合わせて黙とう。 鎮魂と一日も早い被災地の復興を祈った。

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 四季の郷公園 市民団体 「山東まちづくり会」 (湯川正純会長) は、 同市明王寺の同公園でありがとう、 絆をテーマにしたアートイベントを開いた。
 市内でグラフィックデザインをしている中村紫苑さん(32)は、 「震災で多くの人が絆の大切さに気付き、 生まれた絆の芽が大きく育ってほしい」 と願いを込めて、 大きな書画を書いた。

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 岡山の時鐘堂 同市岡山丁の 「岡山の時鐘堂」 では、 日本ユネスコ協会連盟(松田昌士会長)の呼び掛けで犠牲者の鎮魂と復興の担い手となる子どもたちの成長を願って鐘を打ち鳴らした。
 全国30カ所で一斉に行ったもので、 発生時刻には突然の雨に見舞われた。 和歌山ユネスコ協会の空光昭代表が鐘をつき、 1分間の黙とう。 黙とう後は集まったメンバー6人全員が順番に鐘をついて、 鎮魂と復興の祈りをささげた。