初めて「水琴窟」確認 和歌山城発掘調査
和歌山市都市整備公社が行っていた史跡和歌山城第34次発掘調査で、庭園施設の一つで水の落ちる音を楽しむ装置「水琴窟」(すいきんくつ)が城内から初めて確認され、藩主が庭園に降りるときに草履を脱ぐ「踏石」(ふみいし)には、紀南地方で採掘される熊野石が使われていたことが分かった。
同公社によると、発掘調査は平成20年度に開始。 江戸時代末期に描かれた 「二の丸絵図」 を基にして進められてきた。これまで、 排水施設や漆喰 (しっくい)池、 浅野期の石垣などが確認された。
本年度の発掘では、 大小の礎石7基と根石4基、 植え込みの石積みなど庭園施設、 徳川初期の石組暗渠溝などを確認。 中でも水琴窟は鷺森遺跡などから発見されていたが、 城内で確認されたのは初めてで、 藩主用に豪華な造りになっているという。 絵図にもその存在は描かれていなかった。
また、 熊野石を使った踏石は、 ここ1カ所だけしか確認されず、 同公社は 「紀南から取り寄せたはず。 ものすごく意味のある石だと思う」と話している。
この他、 浅野期の石垣の一部が引き続き確認されたため、やぐら台の大きさなどが確認できるようになるという。
28日には、 二の丸西部で現地説明会が開かれる。 1回目は午後1時半から、 2回目は2時15分から。 小雨決行。