火力発電の早期建設を申し入れ 和歌山県・市議会
平成16年から計画が先延ばしになっている、 住友金属㈱和歌山製鉄所沖合埋め立て地へのLNG火力発電所の早期の建設を申し入れようと、 県議会の新島雄議長と和歌山市議会の和田秀教議長は20日、 関西電力㈱本店 (大阪市北区) を訪れた。 両議会が共同で申し入れをするのは珍しいという。
この日、 新島議長、 和田議長は同社本店の樋口幸茂火力事業本部副事業本部長に、 同決議文を手渡し、 早期の建設促進を申し入れた。
樋口副事業本部長は 「真摯 (しんし) に受け止めている。 国の電力についての方向性、 受給バランスをみて考えたい」。 新島議長は 「LNGは二酸化炭素が少なく、 全世界に埋蔵されており安定的に供給できる。 電力は産業など生活の基盤になるもの。 火力や水力などベストミックスな発電を目指すべき」、和田議長は 「地元からも 『まだか』という声がある」と話していた。
同社は平成12年に、 「和歌山発電所に係る建設協定書」 「和歌山発電所環境保全協定書」 を県と締結し、 平成13年に地盤改良工事に着手、 16年に工事を完了していた。 同発電所は、 敷地面積約95万平方㍍、 最大出力370万㌔㍗。 当初は平成16年ごろ運転開始を計画していたが、 電力の需要低迷を理由に、 計画は先延ばしされている。
東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、 深刻な電力不足が懸念される中、 両議会は2月定例議会で 「LNG火力発電所の建設促進にかかる決議」 を可決し、 申し入れに至った。