「市電が走っていた街」 市立博物館で特別展
明治42年から昭和46年まで和歌山市や海南市の市街地で運行していた路面電車「市電」の歴史をたどる和歌山市立博物館(同市湊本町)の秋季特別展「市電が走っていた街―開業から廃止まで―」が19日から12月1日まで開かれる。
市電は県庁前(現西汀丁)―和歌浦間で初めて運行を開始し、徐々に海南市まで路線を伸ばしながら市民の足として長年親しまれ、黒潮国体の開催とともに全線廃線となった。
特別展は、市電の路線延伸の歴史や沿線の街の様子を古写真や模型などで紹介し、営業が安定せず、経営母体が何度も代わった事情を初公開を含む鉄道省の資料でひもとく。展示品は281点(うち初公開69点)。
期間中はイベントも開催。27日午後2時からは和歌山混声合唱団の音楽会「市電が走っていたころの歌」。11月2日午後3時、3、4日1時半、3時には日本トロリーモデルクラブによる市電の模型展示走行会がある。
特別講演会は2回あり、9日午後1時半からは太田宏一同館総括学芸員の「市電の歩んだ道」、16日同時刻からは重松正史和歌山工業高専教授による「市電と経営母体の変遷」となっている。
午前9時~午後5時。月曜休館(11月4日は開館し、5日休館)。一般400円、小中高生100円(市内の小中高生は土曜無料)。11月16、17日は「関西文化の日」で無料。
問い合わせは同館(℡073・423・0003)へ。