1区は民主、2・3区は自民 衆院選

第47回衆院選は14日に投票、即日開票された。和歌山1区は民主前職・岸本周平さん(58)が2年前の前回に続いて自民前職・門博文さん(49)との接戦を制し、保守王国・和歌山での議席を死守した。2区は自民前職・石田真敏さん(62)が他候補に大差で当選。3区は自民前職・二階俊博さん(75)が圧勝した。県全体の投票率は前回より10・32ポイント低い51・05%だった。

安倍政権の経済政策「アベノミクス」継続の是非などを争点に、与野党は激しい舌戦を展開。安倍首相が来年10月に予定していた消費税の再増税延期を発表し、衆議院を解散した11月21日、県内は知事選(同月30日投開票)真っただ中。衆院選の各陣営は政治活動を制限され、公示前の活動はわずか一日と、短期決戦を余儀なくされた。

報道各社の事前調査では単独で300議席超えが予想されるなど、全国的な自民圧勝ムードの中、1区の岸本さんは党より個人を前面に出して戦い、「この道しかない」とアベノミクス継続を訴えた門さんの追撃を振り切った。2・3区は石田さん、二階さんが終始優位に選挙戦を展開し、原発再稼働反対などを訴える他候補を引き離した。

比例代表近畿ブロックでは、県内に地盤がある公明前職の浮島智子さん(51)が2選を決めた。1区で敗れた門さんも比例での復活当選を決めた。

【1区】
午後10時55分ごろ舟津町の選挙事務所に「当確」の吉報が入ると、支持者らは万歳や握手をして大喜び。事務所に到着した岸本さんは、山下幸男選対本部長とがっちり抱き合い、念願の3選をかみ締めた。

岸本さんは「自民圧勝の空気の中、自民王国・和歌山で勝てるなんて、まるで奇跡だと言われた。でも私は奇跡とは思っていない。なぜなら皆さんが私を国会に戻すためにどれだけ一生懸命だったか、そばにいた私が一番感じていたからだ」と感謝。「私を応援しても、お金も利権も何もない。きょうの勝利は、心ある人たちが集まったことによる勝利だ。和歌山のため、日本のため、一生懸命働きます」と誓い、瀧本和彦選対副本部長の音頭で万歳三唱、喜びを爆発させた。

【2区】
午後8時過ぎに当選確実の吉報が入ると、岩出市高瀬の選挙事務所からは拍手と歓声が沸き上がった。石田さんは数分後、支持者の拍手に迎えられながら事務所前駐車場に姿を現し、妻・知佐子さん(57)らと共に万歳三唱。6選の喜びを分かち合った。

石田さんは「今回の選挙は非常に難しかった。知事選の最中で、ほとんど何の準備もできないまま選挙戦へ突入してしまった」と振り返りながら、「今まで経験したことがないほどの大きな声援を受けた。『自民党しかない』というふうな国民の声だと思っている」と熱弁。「この声を受け止め、決しておごることなく気を引き締める。しかるべき立場でしっかり発言をして、皆さんのご期待に添えるようこれからも頑張ります」と力強く話した。

石田さん(2区)㊧と岸本さん(1区)

石田さん(2区)㊧と岸本さん(1区)