18トリソミーの子ども写真展 21日まで
染色体の先天性疾患「18トリソミー」を抱えながら精いっぱい生きる子どもたちの姿を伝える写真展が21日まで、和歌山市小松原通の日赤和歌山医療センター1階会議室で開かれている。家族でつくる「Team18」が主催。全国巡回展で県内では初めて。和歌山開催を企画した同市の三輪雅子さん(43)は「写真を通じて、家族のかたちや命の尊さを感じてもらえれば」と呼び掛けている。
「笑ってくれるだけで私たちは幸せ」「宝物のような毎日をありがとう」――。全国から集まった153点の写真には、懸命に生きる子どもたちの命の輝きが収められ、家族の愛情あふれるメッセージが添えられている。
18トリソミーは、通常2本で構成される染色体の18番目が3本ある。先天性疾患を併発し、胎児の段階で流産や死産になることが多い。出生から1年後の生存率は約10%といわれていたが、最近では治療によって約30%に上昇している。
三輪さんは平成24年9月2日に、三女の杏果(きょうか)ちゃんを出産。約1カ月後に18トリソミーであることが判明した。心臓や呼吸器に疾患があった杏果ちゃんは気管切開手術をし、鼻からチューブを通して栄養を取っていた。ほとんどがベット上での生活。1歳の誕生日は家族で祝うことができたが、昨年の元日、1歳4カ月という短い命を精いっぱい全うした。
「どうしてそんなに頑張れるのかと思うくらい、小さな体で生きようとする姿は、とにかく一生懸命でした」
何もしてあげられなかったという思いが募る中で、同じ病気を抱える子どもの親とインターネットのブログでつながり、昨年夏に千葉で開かれた写真展に杏果ちゃんの写真を展示。外に連れ出してあげられなかった分、多くの人に見てもらうことでつながりを感じ、大きな喜びになったという。三輪さんは「この病気だけでなく、他の病気や子育ての悩み、不安を抱える人にも共感してもらえる部分があればうれしいです」と話している。
写真展には、和歌山信愛高校の生徒がボランティアで参加。折り紙やゲームなど遊びのコーナーを設ける他、2020年の東京パラリンピック会場での掲示を目指し、障害のある子どもたちの手形を集めて大きな絵を描く「ハンドスタンプアートプロジェクト」も実施する。
午前11時15分~午後5時。問い合わせはteam18関西(team18kansai@yahoo.co.jp)。