家族にも安否情報 防災速報システム開発
大地震や津波の発生時、社員などの安否を確認すると同時に、その家族にも状況を知らせることができる業界初というタブレット型防災速報安否確認システム「絆」を、和歌山市砂山南のネットウォーカー㈱(菊池克己代表取締役)が開発した。飲料メーカーの協賛を受け、市内の企業、病院、介護施設、幼稚園、保育所などを中心に無償で導入を推進していく。
地震を検知するとアラームを鳴らしながら予想震度、発生までの時間などを画面に表示するとともに、事前に登録した社員などの携帯電話に一斉にメールを配信。受信者が自分の安否情報を回答すると、同時に家族の携帯電話にも回答内容がメールで送信される。各受信者は、他の受信者の回答状況も自分の携帯電話からひと目で分かるようになっている。
従来の安否確認システムでは、受信者の安否情報はシステムの利用者しか知ることができなかったため、受信者の家族が会社などに問い合わせるケースが多かったという。
また、防災教育用の「eラーニング機能」も搭載。防災訓練を行いながら、一斉配信メールで出題される10の設問に答えることで、受信者が防災知識を深められる。設問は「自社の避難場所」など、オリジナルを作成することもできる。
タブレットは持ち運んで使えるようにSIMカードを搭載し、防災訓練がしやすいようにした。
システムの無償導入は、会社などに飲料の自販機1台を5年間設置(設置費用は無料)することが条件。通常、安否確認システムを導入すると月3万円ほどのランニングコストが掛かるが、自販機の飲料の売上を一部充てることで無償導入が可能になる。
菊池代表(46)は「会社としては、いつ来るか分からない大地震に予算を掛けにくいのが現状。BCP(事業継続計画)対策の一つのツールとして無償で導入していただき、社会貢献活動につなげていきたい」と活用を呼び掛けている。
問い合わせは同社(℡073・423・5733、URLhttp://netwalker-inc.co.jp/)まで。