ミサイル発射に備え 和歌山市が対応訓練

 北朝鮮による弾道ミサイル発射に備え、和歌山市職員の実動訓練が22日朝、市役所や市消防局などで行われ、職員は来庁者の安全確保や情報伝達の手順などを確認した。

 北朝鮮は米領グアム周辺への弾道ミサイル発射計画を公表している。市はミサイルが市上空を通過する場合に備え、住民の安全確保に向けた職員対象の訓練を企画した。

 訓練は、市役所本庁舎や市消防局、市教育委員会などで実施。午前8時45分にミサイル発射を知らせるJアラート(全国瞬時警報システム)の起動が館内放送で流れると、本庁舎では来庁者役として入口前に待機していた職員約15人が屋内にいた職員の呼び掛けで建物内に避難した他、各部署では職員に対して窓ガラスの近くから離れるよう指示が飛んだ。

 本庁舎4階の庁議室には市幹部が集まり、嶋本智行危機管理局長が尾花正啓市長に被害の発生状況や情報伝達の状況などを報告。今回の訓練は、加太地区の消防署出張所でJアラートの起動を告げる防災行政無線1機が作動せず、消防車両が地区内を回って住民に情報を伝えたと想定し、幹部らの会議ではこうした状況も説明された。

 尾花市長は「Jアラートが起動した場合に市職員がどう行動すればいいかがはっきりしていない」と指摘した上で「実際に起こるとパニックになる。夜間や休日の対応を含め、あらゆるケースを想定し対策を考えておくことが重要だ」と話していた。

来庁者役の職員を屋内に避難誘導した

来庁者役の職員を屋内に避難誘導した