ヨルダンで難民の保健支援 日赤看護師派遣

 長期化するシリアの内戦で多くの難民が流入する隣国ヨルダンに、保健衛生指導で日赤和歌山医療センター(和歌山県和歌山市小松原通)の看護師、小笠原佑子さん(35)が派遣されることになり、6日、同センターで出発式が行われた。

 小笠原さんはこれまでフィリピンでの保健医療支援事業やハイチでのコレラ予防事業などで派遣され、海外での活動は3度目。ヨルダンでは現在同センターの看護師が活動中で、その後任として派遣が決まった。期間は来年12月下旬までの1年間。

 同センターによると、ヨルダンの国民の10人に1人がシリア難民という状況。長引く避難生活で健康維持や衛生環境の確保などが大きな課題になり、受け入れるヨルダン国民も医療面で少なからず影響を受けているという。

 小笠原さんは首都アンマンを拠点に活動予定。郊外などで生活する避難民や住民を個別に訪問し、手洗いやうがいなど公衆衛生の向上に努め、避難生活の長期化で悪化の恐れのある生活習慣病の改善に向けた情報提供などを行う。

 出発式で、筒井一成副院長は「自身の安全を図りながら避難民の健康維持に努めていただきたい」と激励した。

 地域でのボランティア養成も重要な任務といい、小笠原さんは「全体の調整や現場管理など、これまでの病棟での経験をフル活用できるのでは。避難民が健康で人間らしい生活ができるよう支援したい」と意気込んでいた。

出発式で意気込みを語る小笠原さん

出発式で意気込みを語る小笠原さん