安全、安心、挑戦が柱 県が来年度新政策発表

 仁坂吉伸知事は18日、 来年度の新政策と予算編成方針を発表した。 台風12号被災地の一日も早い復旧・復興を目指し、 東海・東南海・南海地震などの大規模災害に備える 「災害に備えた 『安全』 の政策」、 福祉や医療の充実を図る 「暮らしを守る 『安心』 の政策」、 産業を活性化させる 「新たな成長に向けた 『挑戦』 の政策」 が3本柱。 予算編成については、 既存事業の予算枠を本年度に比べ5%減に抑える。

 「災害に備えた 『安全』 の政策」 は、 風水害への対策▽地震・津波対策▽大規模災害への総合的な対策の3項目が重点。 風水害への対策としては、 豪雨時の河川の氾濫をシミュレーションすることで浸水想定区域図を作成する事業に取り組むとし、 仁坂知事は 「(シミュレーションは) やり方がはっきり決まっていないもので、 研究を伴うことだが、 できるといいと思う」 と述べた。 地震・津波対策としては、 津波の被害が懸念される沿岸部の小中高校や福祉施設へのライフジャケットの整備、 高台へ逃げるための避難路の設置や避難場所の創出などを新たに盛り込んだ。

 「暮らしを守る 『安心』 の政策」 では、 増加傾向にある児童虐待の防止対策の強化など、 「新たな成長に向けた 『挑戦』 の政策」 では、 外国人観光客の受け入れ強化として、 観光地の道路標識や観光案内板の多言語化などを挙げ、 仁坂知事は 「重点的に整備していきたい」 と述べた。

 また、 現行の 「新行財政改革推進プラン」 (平成20年度から来年度までの5年計画) を見直し、 さらに来年度を開始年とする5年間の新しい行財政改革推進プランを策定すると発表。 来年度の予算編成で、 重点政策については予算要求の上限を設定しない。 仁坂知事は 「防災対策で忙しくなる中、 県庁では無駄なことはしていないため、 職員数はこれ以上減らせない。 持ちこたえられるような合理的な行革プランに見直していきたい」 と話した。