平松家住宅など登録文化財に 文化審答申

 国の文化審議会 (西原鈴子会長) は9日、 和歌山市川辺の 「平松家住宅」2棟と、 岩出市山の 「福田家住宅」 6棟など県内3カ所、 15件の建造物を登録有形文化財に登録するよう中川正春文部科学大臣に答申した。 県内の登録有形文化財 (建造物) は56カ所、 148件となる。

 平松家住宅は、 和歌山城下から大阪に至る上方街道沿いに位置する大型農家で、 近世庄屋の屋敷構えを残す。紀の川流域にはこのような農家がよく見られるが、 その中でも大規模で、 同地域の代表的なものの一つとされ、地域の歴史的景観にも大きく貢献している。敷地は東西に長く、 街道に面した西側に長屋門、 敷地のほぼ中央に主屋が建ち、 北側はかんがい用水路に面している。

 岩出市山地域の地主で村長も務めた福田家の居宅は、 明治中期に建設された。 丁寧な施行で質が高く、 適切な管理で良好な保存状態を保っている。 同地域における明治期の代表的な民家建築の一つとみられる。 敷地はやや南北に細長く、 南側に門、 主屋への導入路に沿って西側に内堀、 東側には米蔵と納屋、北側に北蔵を配置し、 西道路境に土塀を築いている。

 答申には両住宅の他、 県内からはすさみ町の 「福田家住宅」 7棟が盛り込まれている。