救急患者の経過観察用ベッド新設 和歌山県立医大
入院の必要はないが、 すぐに帰宅させるにはリスクの高い救急患者を一晩、 経過観察できるようにするための 「オーバーナイトベッド」 が、 県立医科大学付属病院 (和歌山市紀三井寺) の救急外来に12床新設された。 来年1月4日から運用される。 県内で初めての設置で、 全国的にも珍しい取り組みだという。
救急患者への対応を強化し、 地域医療を充実させるのが目的。 患者は翌朝に帰宅するか、 そのまま同病院に入院、 もしくは医師がかかりつけの病院などを紹介する。
同病院によると、 救急患者は症状により一~三次に分類。 一次は入院不要▽二次は入院するが手術不要▽三次は緊急手術が必要とされている。 三次救急患者の場合、 県内に3カ所ある高度救命救急センターを併設している病院(県立医大付属、 日赤和歌山医療センター、 南和歌山医療センター)に搬送する。
しかし、 医師不足などの影響で一次・二次救急患者も三次救急医療を担う病院に運ばれることが多いという。 同病院の場合、 年間約1万5000人の救急患者のうち一次救急患者が約7割を占め、 入院する患者は2割強だという。
今回は、 国の地域医療再生計画の補助金(5億円)を活用してCTなど医療機器の整備を行った。 常に患者の様子を把握できるように集中治療室並みの設備を整えた。 岡村吉隆病院長は 「救急患者を全て県立医大で見るということではなく、 二次救急医療機関と連携を取って、 地域医療に貢献したい」 と話している。