鮮やかなニシキエビ 自然博物館で10年ぶり登場

 海南市船尾の県立自然博物館では、 イセエビの仲間 「ニシキエビ」 を展示している。 県内では生息数が少なく、 年に1回見つかる程度といい、 同館では平成13年以来10年ぶりの展示。 体は鮮やかな青色で、 文様が派手で美しいため、 来館者に 「見応えがある」 と人気だ。

 ニシキエビは、 世界ではインド洋、 西太平洋などにかけて、 日本では相模湾以南に分布する。 本州では数が少なく珍しい種類。 イセエビの仲間の中では最も大きくなり、 中には体長60㌢、 重さ5㌔になる大物もある。 沖縄などでは食用にもされたり、 その見た目から装飾用のはく製などにされることもある。

 展示しているのは1匹。 全長42㌢、 触角を含む長さは約1㍍、 重さ2・2㌔。 ニシキエビの中では普通の大きさ。 採集場所は、 御坊市名田町上野の上野漁港沖水深30㍍。 漁師の杉浦由夫さん(紀州日高漁協所属) が14日、 同漁港沖で漁をしていると、 刺し網に掛かったという。

 イセエビは姿形が豪華なことから、 縁起物として正月飾りや鏡などでもおなじみ。 中国語で 「龍蝦 (ロンシャー)」 と呼ばれ、 来年のえと 「たつ」 にもぴったり。 同館は 「来年のたつ年にちなんだ大変おめでたい生き物です。 10年ぶりの珍しい展示なのでぜひ見てほしい」 と来場を呼び掛けている。 同館では他にも 「イセエビ」 「カノコイセエビ」 の3種類のイセエビの仲間を展示中。 問い合わせは、 同館 (℡073・483・1777、 FAX073・483・2721)まで。