80周年記念イベント企画中 桐蔭ラグビー部

 和歌山市吹上の県立桐蔭高校(勝丸健司校長)ラグビー部はことしで創立80周年を迎える。しかし、本年度の部員はマネジャーを含め5人しかおらず、存続が危ぶまれている状態だ。そんな中、今後も部を継続してラグビー界を盛り上げていこうと、部員とOBらは5月上旬に記念イベントを企画している。

 イベントは部員とOBの対戦の他、地域の子どもたちに幼い頃からラグビーに親しんでもらおうと、児童向けなど年代に合わせた形式(ルール)で記念試合を行う。場所は未定。記念グッズなども用意し、パーティーも開く。

 OBの多田信一さん(43)、岡健司さん(44)によると、部は昭和8年に創立。当時、県内でラグビー部がある高校は同校だけで、県外の高校と試合をすることが多かった。昭和後期から平成初期にかけてはラグビーの最盛期だった。県立和歌山工業高校(同市西浜)とはライバル関係にあり、互いに切磋琢磨していたという。

 徐々に部員が少なくなり、他校と合同チームを組まなければ大会に出場できなくなったのは4~5年前のこと。昨年春までは、桐蔭、和歌山東、星林、田辺、田辺工業の5校でチームを組んでいた。しかし、同年秋ごろ、桐蔭と和歌山東以外の3校は自分たちでチームが組めるようになったため、残る2校ではメンバーが15人に足らず、大会への出場すらままならなくなった。

 現役の部員は部長の西村直剛君(17)と福井千明君(同)の2人にマネジャーが3人。西村君と福井君は1年生の時に入部し、大会に出られなくなった今でも週2回の筋トレや自主練習は欠かさない。西村君は「ラグビーはどんな体格の人でも役割があるのがいいところ。やる気さえあれば誰でもできる」と魅力を語る。マネジャーで2年生の山本夏希さん(17)は兄がラグビーをしていたこともあり、廃部になるかもしれないと聞いて入部。「なくなるのは寂しいし守りたいと思った」と話す。

 そんな現状を踏まえた上でOBらは「和中・桐蔭高校ラグビー部創立80周年記念イベント」の実行委員会を立ち上げた。西村君らは「人数を増やして単独チームが組みたい。後輩にも面白さを伝えたい」、多田さんらは「2019年のラグビーワールドカップに向け、若い世代に良さを知ってもらい、選手の人口を増やしたい」と準備を進めている。

 問い合わせは実行委の多田さん(℡073・422・2276)または岡さん(℡073・412・4121)へ。