新名物へ 和歌浦の天然アサリの試食会

 片男波干潟 (和歌山市和歌浦南) にネットを敷設して、 天然アサリの増減を調べる調査の成果報告会が13日、 同市雑賀崎のホテル太公望で開かれた。 行政や漁協の関係者ら約50人が参加。 専門家は 「片男波干潟には高い能力がある」 などと講演し、 和歌浦の新名物として売り出す和歌の浦アサリを使った料理の試食会もあった。

 調査に協力している水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所主幹研究員の浜口昌巳さんは、 現在のネット敷設事業を継続すべきだとし、 「全国各地、 数々の干潟を見てきたが片男波干潟には高い能力がある。 地域が連携して干潟復活に向かってほしい」 などと話した。

 試食会ではアサリを使った 「タルタル焼き」 や 「みそ炒め」 など8品以外に、 「ハマグリの塩焼き」 や 「ツメタガイの煮付け」 もお披露目された。 和歌川漁協理事の梅本仁さん (63) は 「これだけのメニューができるのだからすごい。 名物になってほしい」 と話していた。

 調査は、 和歌川漁協など地元漁協や県、 市で構成する 「県市干潟保全対策地域協議会」 が主体となって平成21年から実施し、 アサリの減少原因とともに復活方法を調べてきた。

 市の報告によると、 干潟にネットを張ることでアサリが成長することが判明。 これまでにネットは12面(709平方㍍)敷設し、アサリの総量は2㌧(推定) を超えた。 まだ潮干狩りができるレベルではないため、 地元旅館やホテルなどでアサリ料理として提供するなど、 名物化していく方針だ。 例えば、 干潟のネット部分をオーナー制度で購入してもらうなど、 さまざまな方法を模索しながら 「和歌の浦アサリ」 を新名物に成長させたいという。 4月には和歌浦小学校の6年生が潮干狩り体験を行い、 5月には和歌浦シラス祭でアサリを販売する。