海南市が沿岸部の標高マップを作成

 海南市は、沿岸部を中心とした12地区の標高マップを約2万枚作成した。4月末までに該当地区の住民には配布しており、危機管理課は「常に家庭の目の付くところに貼っておき、家族で避難する場所を決めるなどしてほしい」と呼び掛けている。同市が標高マップを作成したのは初めて。

 東日本大震災発生以後、海抜高に関する問い合わせが増えたこともあり、同マップの作成を決めた。沿岸部12地区で防災対策の見直しを行い、地元民の意見を取り入れ、津波避難場所、津波緊急避難ビルを従来より大幅に増やし、110カ所にした。

 同マップは、12地区で10種類あり、標高は5㍍未満、5㍍以上10㍍未満、10㍍以上15㍍未満の地域を色分けして記載。津波避難場所、津波緊急避難ビルの記号を載せ、各世帯で避難する場所を書き込む欄を作っている。

 内閣府が推計し、3月に発表した南海トラフの巨大地震による同市の最大津波高は、平成15年の中央防災会議の想定より1・3㍍高い8・1㍍だった。

 同マップは、同市のホームページからもダウンロードできる。

 同課は「避難場所や非常持ち出し品について家族で話すことが、減災につながる」と話している。