岸本氏やや優勢、門氏猛追 和歌山1区
16日投開票の衆院選は終盤戦に突入。 わかやま新報はこれまでの取材を基に、 和歌山1、 2区の情勢を2日間にわたり掲載する。 1区は民主前職・岸本周平氏(56)がやや優勢と見られ、 自民新人・門博文氏(47)が猛追し、 さらに維新元職・林潤氏(40)が追う展開。 共産新人・国重秀明氏(52)は苦戦している。 しかし、 まだ投票先を決めていない有権者も多く、 情勢は予断を許さない。
全国的に劣勢の民主にとって岸本氏は落とせない 「接戦」 の候補。 議席死守に向け、 野田佳彦首相や連合の古賀伸明会長も選挙区入りした。 知名度は他候補を大きく上回っており、 党より個人を打ち出す戦いで逆風をしのいでいる。 民主支持層はほぼ固め、 無党派層や他党支持層の一部にも浸透している。
林氏は出馬表明が衆院解散後と最も遅く、 「落下傘」 でもあり、 知名度アップが最大の課題。 自転車での街頭活動などで維新の候補をアピールする。 近畿で強さを誇る維新は、 比例で民主を大きく上回り、 自民に次ぐ勢いと見られている。 選挙区での得票にどこまでつながるかがカギとなる。
1区を重点選挙区とする自民は、 県都の議席回復に向け序盤に安倍晋三総裁、 終盤に石破茂幹事長が入り、 攻勢を強める。 門氏は知名度不足をカバーするため街頭活動を重視。 選挙カーを降りて歩いてアピールすることも多い。 自民支持層を固めたのに加え、 公明支持層にも支持を広げている。
共産の国重氏は民主党政権を 「自民党型政治」 の流れだとし、 両党への批判票の受け皿を目指してきた。 原発即時ゼロやTPP反対、 消費増税中止など、 他党との政策の違いをアピールするが、 「既成政党対第三極」 の構図の中で苦しい戦い。 共産支持層以外には支持を広げられていない。