紀美野でミニソーラー 7月操業開始へ
小規模の太陽光発電施設による売電収入の一部を立地する市町村に配分し、地域振興に役立てる、全国初の「ミニソーラー事業」が紀美野町で7月から始まる。県と町が大阪ガスの子会社・エナジーバンクジャパン(EBJ)㈱(本社=大阪市)と連携し、同社を事業主体として行うもので、8日の新春記者会見で仁坂吉伸知事が発表した。
県によると、同事業の特徴は、出力がメガ㍗単位を超え、大規模な土地を必要とするメガソーラーとは異なり、比較的小さな土地での発電が可能であること。さらに、立地する市町村に土地の賃料と固定資産税に加え、売電収入の一部が支払われる点が全国に例がないという。
施設の建設や管理運営の費用はEBJ社が全額負担するが、小規模のため電圧を変える昇圧機の設置が必要ないなど、同社には初期投資が少なくて済むメリットもある。
今回、太陽光発電施設が建設されるのは、同町国木原、ふれあい公園近くの約1600平方㍍の町有地。町土地開発公社が整備したが遊休地となっていた。出力は110㌔㍗、推定年間発電量は約11万㌔㍗で、約30世帯分の年間消費量に相当する。5月の大型連休までには着工し、7月の操業開始を予定している。
県過疎対策課のシミュレーションでは、契約期間の20年間で町が得る収入は、売電収入839万円、固定資産税303万円、賃料80万円の計1222万円を見込んでいる。
同社は、紀美野町のケースを過疎地域での小規模太陽光発電事業のモデルとしたい考えで、県も各市町村に事業に適した土地の情報提供を呼び掛けている。
仁坂知事は「再生可能エネルギーの普及推進や遊休地の利用にもつながる」と期待を寄せている。