災害時の広域医療を訓練 和歌山県
大規模災害発生時に県内で多数の負傷者が発生し、医療機関の機能低下が予想される事態に備え、県は8月31日、県外の災害派遣医療チーム(DMAT)への派遣要請と受け入れ、患者を県外の医療施設に広域搬送する体制などを検証する訓練を、政府と共同で行った。
午前7時に南海トラフで大地震が発生した想定で実施。参加したのは、県内全ての災害拠点病院や災害支援病院のスタッフ、医師や看護師ら5人を1組とするDMATが大阪、兵庫、奈良、鳥取各府県など県外から30チームなど、計約1000人。自衛隊機や海上保安庁のヘリコプターなど航空機10機も出動した。
県庁南別館に設置された県災害医療本部は、各医療機関の被災や診察可否の情報などを収集し、DMATの派遣要請や受け入れ先の調整などに当たった。
DMATは、13隊が陸路、17隊は空路で県内入り。陸路は和歌山市の阪和自動車道紀ノ川サービスエリア(SA)を参集拠点とし、各隊は指示を受けて日赤和歌山医療センターや公立那賀病院など各病院に向かった。
空路の拠点、南紀白浜空港では、各隊の派遣、広域搬送が必要な患者の受け入れ、自衛隊機を使った長崎県への搬送などが行われた。
陸路で訪れた鳥取県のDMATの医師は「実際の災害時に現地入りが可能かどうかは分からないが、広域搬送などの役割も考えている。最大限の想定をして訓練をすることが非常に大切だ」と話していた。