会費1000万円使い込む 関戸全自治会の会計役員

 和歌山市関戸全自治会の会計役員を務める男性が自治会の積立金など約1000万円を使い込み、トラブルになっていたことが19日までに分かった。自治会側は返金を求め和歌山地裁に提訴。今月15日に第1回口頭弁論が開かれ、被告側は本人が出廷したという。原告代理人は「住民間の問題なので詳しい内容は明かせない」としながらも「返還の意思を示しているので今後、和解に向けて協議に入るのでは」としている。返還方法などは未定という。

 同問題をめぐっては9月12日、自治会会員らに回覧板で横領問題の内容が周知された。その書面によると、横領が発覚したのは4月23日の会計監査日。会計役員の男性は積立金などを流用したことを明かし、会長会がある5月8日までに返納することで自治会会長らと合意。しかしその後、再三の催促にもかかわらず返納されなかったため、9月11日に地裁に訴状を提出した。横領した現金の中には、関戸消防団後援会費240万円も含まれていたという。

 自治会側は第1回口頭弁論の日に、真相解明のため刑事告訴も視野に入れ和歌山西署に相談したという。同地区に住むある住民は「何に金を使ったのかや、通帳や証書、印鑑の管理がどうなっていたかが明らかにされていないので、きちんと説明してほしい」と怒りをあらわにしていた。会計役員の妻によると本人は体調を崩し入院中という。妻は「地域の方に本当に申し訳ないことをしました。私もつらくてなんとも言えない気持ちです」とし、「夫が大阪の高利貸しに金を貸し、だまし取られたことも資金繰りに困った原因。いろんな人から借金をしているので、毎日催促があるような状態です」と金に困っていたことを明かした。