自民党と市町村長が過疎対策で意見交換
自民党過疎対策特別委員会(委員長・森山裕衆院議員)は23日、和歌山市茶屋ノ丁の県自治会館で意見交換会を開き、県内過疎地域の現状把握とともに、各首長らの意見に耳を傾けた。出席した1市12町1村の首長らは、高齢化や人口減少など課題への対策を求めた。
改正過疎地域自立促進特別措置法の施行後、「3年を目途に見直しのため、必要な措置を講ずること」とされ、ことしがその時期に当たることを受けて開かれた。会場には副委員長として、和歌山2区選出の石田真敏衆院議員も出席した。
各首長らの意見で多かったのは、統廃合により閉鎖した教育施設の解体撤去費用を、過疎債が適応されるようにしてほしいとの要望。「解体費用が5億円ぐらいかかるというので、5年ほど前に閉鎖した校舎がそのままになっている」(那智勝浦町)との報告もあった。その他、「過疎地域の住民に『見捨てられていないこと』を伝えていくことが大切」と継続的な事業実施が訴えられた。
森山委員長(鹿児島5区選出)は「都市部の議員は、過疎地域を人ごとと考えている面がある」とし、首長らの意見を聞いた上で「見直しの最優先課題として、ハード面で過疎対象事業の拡大を目指す」と約束した。
この日の午後には、同委員らは紀美野町の過疎地区を視察した。同委員会は今月中にも北海道や高知、島根でも意見交換会を開く予定。
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過疎債 過疎地域自立促進特別措置法に基づいて発行される地方債。起債に応じて国からの地方交付税が増額されるため、償還負担は少なく、過疎地域の有効な財源として活用されている。県によると、県内の起債額は23年度が41億円、19~23年度が計159億円。