日米協力で国民の命大切に 常日頃から真剣な取り組みを

 国土強靭化総合調査会で海兵隊の名前を知らない人はいないのと同じように、トモダチ作戦に対して、感謝をしている日本の我々の気持ちは、海兵隊には、ほとんど伝わっていないのではないかという気がするのです。

 先般、私どもは機会があって沖縄訪問のとき、特に、今日ご出席のロバートさんにご配慮を願って、海兵隊の基地と同時に、いま有名なオスプレイも、中まで乗せてもらって、いろいろ拝見をしてまいりました。こういう日常からの交流、そして、お互いの信頼、これが何よりも、災害においても、大事なことだと思っています。もし、この次、何か災害が襲った場合、海兵隊員のお世話になることは間違いないわけですから、それまでの間、ぽかっとしているだけでは意味がありません。我が日本政府・自由民主党としても日頃から米軍との協力に対する真剣な取り組みが大事だということをロバート博士に申し上げましたところ、「自分も全くそう思う」ということでした。今まで例がないかもしれませんが自由民主党の本部にお越しいただいてお話を頂戴したいと申し上げましたところ、「喜んで」ということで、今日はお越しを願いました。そして同僚のゴフ・ジョウナサン大佐をご一緒にお連れしてお見えいただきました。

 ロバート・D・エルドリッチ米軍海兵隊太平洋基地政務外交部次長(政治学博士)は、「私は、日本政府の招きで日本へ参りました。JETプログラム3期生です。1990年に兵庫県のかなり田舎に配属されました。いつの間にか24年になりました。いかに日本が素晴らしい国であるかの象徴です。1995年1月17日、阪神、淡路地震災害を神戸大学1年生の時体験しました。その時、神大でも39名の学生と職員が、亡くなりました。ハワイに9年間いる間に、2004年12月、スマトラで大地震が発生しました。私は、日米がいかに国際問題あるいは、自然災害に、一緒に対処できるか常に考えていました。災害における人間関係の重要性が、非常に大切なことだと思っています。

 2011年3月11日の東日本大震災の時、海兵隊は翌日、日本政府の要請で出動しました。トモダチ作戦がなぜ成功したのか。強調したいのは、成功の理由は、日本、日本人にある。日本国民の我慢強さ、勤勉さである。秩序、法治国家というところが大きい。東北の方々は自立心が強く粘り強い人々が多い。二つ目は日本は先進国家である。自衛隊は世界に最も誇れる組織、軍隊である。

 次に自衛隊が自分を犠牲にして、家族まで犠牲にして仕事を達成した。同じ気持ちは米軍の中にもあった。最初の数時間、あるいは数日間の対応が生命に関わる問題。60年余の日本安全保障関係、日米同盟を通じて、組織間の連携が強化、進化されている」と話されました。
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 紙面関係では詳しくは伝えられませんが、私(二階)は日米の協力のあり方、そして地元の協力のあり方が、いざという時、海兵隊が活動しやすくするための準備や訓練が重要であることを痛切に感じています。

 丁度、国会で長い間私たちが努力して来た国土強靱化法関連三法案は国会の会期末、三法案共に成立しました。

 災害に備え、常日頃から国を挙げて対策を真剣に考え、事前防災、減災の実現に国民みんなで努力しましょう。そのためには足らざるところは米軍にも協力をお願いしよう! そして、一人でも国民の命を大切にしようという呼びかけなのです。国土強靱化とは。