本格梅酒は機能性成分多い傾向 県調査

昔ながらの製法で作った無添加の「本格梅酒」は、酸味料、香料、着色料などの添加物を使った梅酒に比べ、ポリフェノールやカリウムが多い傾向にあることが、県工業技術センター(和歌山市小倉)の分析で分かった。県は「今回の結果を活用して、市町や関係団体と連携しながら消費者へのPRを図り、青梅の需要拡大と和歌山の梅酒の販売促進に努める」としている。

酒造会社74社でつくる日本洋酒酒造組合(東京)はことし1月、梅・糖類・酒類のみを原料とした梅酒を「本格梅酒」と表示できる自主基準を制定。県は平成26年度、本格梅酒と、添加物を使った梅酒の機能性成分の違いを分析した。

サンプルは、市販の48種類(本格梅酒と表示可能な25種類、添加物を使った23種類)と、うめ研究所が熟度の異なる梅を使って家庭での作り方で作った5種類(無添加)の計53種類。それぞれポリフェノール、カリウム、有機酸の含有量を調べた。

結果、無添加の梅酒はポリフェノールやカリウムが比較的多いグループ1に、添加物を使った梅酒は少ないグループ2に大別された=グラフ参照=。有機酸の中で主要なクエン酸の量には大きな差は見られなかった。

ポリフェノールは抗酸化作用で生活習慣病の予防に、カリウムは血圧の上昇抑制に効果があるとされている。県果樹園芸課は「これから梅の販売シーズンなので、梅酒の作り方講習会などでPRしたい。本格梅酒を作っている農家の方にも知ってもらい、販売促進に活用してもらえれば」と話している。