スマホ普及で苦情増 上半期の消費者相談

 県消費生活センターは平成27年度上半期(4~9月)の消費者相談の状況をまとめた。相談件数は3301件(前年度比56件増)に増加し、内容はウェブサイト関連の相談が5年連続でトップ。固定通信回線に関する相談の増加が要因の一つで、健康食品の購入トラブルも増加している。

 相談件数の内訳は、悪質サイトからの不当請求やワンクリック詐欺などの「ウェブサイト関連」が644件(前年度比26件減)でトップ。2位は前年同期に続き大きく増加している「固定通信回線」が255件(同77件増)、次いで「健康食品」の91件(同13件増)となっている。

 ウェブサイト関連の相談は、通信機器別でスマートフォンが過半数の358件(56%)を占め、その普及が要因とみられる。内容では、ワンクリック請求が最多の52%、次いで架空請求が29%。これらの手口については、請求画面やメールの内容に誘導されて業者に連絡してしまったという相談が40%に上り、注意が必要となっている。

 固定通信回線に関する相談は、電話勧誘によるものが約4分の3を占め、光回線サービスを提供する事業者の増加により、勧誘が活発となったことが要因と考えられている。契約の種類は多様で内容も複雑であるため、よく理解できないまま契約してしまっているケースが多くみられる。大手事業者の関連業者と思わされる場合が多く、同センターは、契約先や契約内容を必ず事前に確認する必要があるとしている。

 健康食品に関する相談は、60歳以上からが64%、特に70歳以上が52%に達し、健康に不安を抱える高齢者がトラブルに巻き込まれるケースが多い。37歳女性の相談では、スマートフォンで健康食品を申し込むと、「無料サンプル」と書かれていたため送料のみ支払ったが、翌月も同じ商品が届き、料金を請求された。業者からは「最低4回の継続購入が無料サンプルの条件」と説明されたという。

 未公開株・社債の購入、資金運用型の投資話などの「詐欺的投資取引」についての相談は50件で、前年同期より20件減少したが、60歳未満が占める割合が前年同期の14%から22%に増加しており、高齢者に限らず全年齢での注意が必要になっている。「名義を貸して」「権利を譲って」などの不審な電話や、「レターパックや宅配便で現金を送れ」との要求は全て詐欺であり、だまされないように同センターは注意を呼び掛けている。

グラフ㊨がウェブサイト関連の通信機器別苦情相談件数、同㊧が固定通信回線の苦情相談件数

グラフ㊨がウェブサイト関連の通信機器別苦情相談件数、同㊧が固定通信回線の苦情相談件数