県警が初の育休研修 円滑な職場復帰へ

育児休業取得者のより円滑な職場への復帰や心理的不安の軽減を図ろうと、県警は4日、育休を取得している女性の警官や職員23人を対象に、初めての研修会を開いた。復帰後の育児支援制度や各種福利厚生、育休を取得後に職場復帰した警官の体験談、意見交換会など、充実した内容となった。

研修では、県条例に基づく支援として、時間短縮勤務や時間外勤務制限、泊まり勤務制限などの支援制度を紹介。講話では、3歳から小学6年生まで4人の男児を育てながら勤務を続ける和歌山西署の今西優江巡査部長(41)が、「子どもは順応性が高いので、預けることなどを必要以上に悩まないで」と体験談を紹介した。

緊急事態の準備としては、子どもが病気などで日常の施設に預けられなくなった場合のため、病児保育、民間託児所、近所同士の助け合いを目的にした「ファミリーサポート制度」の利用確認の必要性を強調した。今西巡査部長は、「さまざまな子育て制度があるので、周りの反応も気になるが、次の女性職員のためにも活用してほしい」とアドバイスした。

参加した8月に復帰予定という1児の母、海南署交通課の上野山結美子巡査部長(36)は、「支援制度が分かり、復帰も心強くなりました。女性被害者支援など女性警官にしかできない役割もあるので頑張ります」と話していた。

警務課によると、本年度育休を取得した警官は、全体の2割となる36人(全体163人)。昨年度から6人増加した。県警は、女性警官の採用割合を年々増加させており、育休取得者も増加傾向にある。一方で男性の取得者はまだいないという。昇進試験については、育休を取得しても、受験資格の勤務期間に育休期間分が含まれるなど配慮されている。

体験者としてアドバイスする今西巡査部長

体験者としてアドバイスする今西巡査部長