4年連続減の307億円 紀の川市当初予算
紀の川市は23日、平成28年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比2億円(0・6%)減の307億5000万円となり、平成24年度以降、4年連続で減額した。特別会計と公営企業会計を合わせた総額は3億8939万円(0・7%)増の533億4657万円。市が直面している地方創生や人口減少、少子高齢化などの課題に対応し、市民が豊かさを実感できるまちづくりを目指した編成となった。26日に開会する市議会定例会に提出する。
長期総合計画やまち・ひと・しごと創生総合戦略に基づき、地域資源を活かした魅力あるまち▽魅力ある仕事・職場のあるまち▽若い世代から選ばれるまち▽安全・安心で暮らし続けたいまち▽健全で持続可能な行政経営を行うまち――の5つを予算編成の柱に据えた。中村愼司市長は「厳しい財政状況の中、市民に協力してもらいながら『住んでよかった』と思われるまちづくりを進めたい」と述べた。
■主な事業
新規事業として、市の認知度向上とイメージアップを図り、交流人口の拡大につなげるシティープロモーション強化(837万円)▽県内初の取り組みとして、若年層を対象に市内で開催される同窓会を支援(65万円)▽市内小中学校の給食で月に1回、市産を中心とした旬のフルーツを提供(238万円)▽京奈和関空連絡道路の整備促進事業として、市民フォーラムを開催(89万円)や啓発用物資の作成(45万円)――などに取り組む。市民目線に立った行政運営の仕組み作りとして、平成30年度を始期とする新たな総合計画の策定(832万円)や総合計画進行管理、サービス検証システムなどの行政評価制度を構築する(643万円)。
一般会計の概要は次の通り。
■歳入
主財源となる市税は、前年度比2593万円(0・4%)減の63億8011万円で、構成比は全体の20・8%。繰入金は同5億9616万円(38・8%)増の21億3454万円。地方債を繰り上げ償還するための減債基金を取り崩したことが増加の要因となった。市債は、紀の海クリーンセンターや市立竜門小学校の改築工事など大型事業の完了に伴い、同8億350万円(22・4%)減の27億8300万円。28年度末の市債残高は332億362万円となる見込み。
■歳出
人件費などの義務的経費が155億9041万円(50・7%)で、政策的経費が151億5958万円(49・3%)となった。
人件費は職員の減少に伴い前年度比6385万円(1・4%)減の45億8553万円。公債費は同9億4910万円(19・7%)増の57億6773万円となり、扶助費は障害福祉サービスの給付費の増や市立保育園への運営委託料が要因で同3億574万円(6・2%)増の52億3714万円に膨らんだ。