市民団体が2案を発表 伏虎中跡地の活用
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小中一貫の和歌山市立伏虎義務教育学校開校後の伏虎中学校跡地を活用する方法を検討している市民団体「みんなで伏虎中跡地を提案する市民の会」(橋本雅史共同代表)は、昨年秋からワークショップで議論してきた2つの市民案を完成させた。A案は校舎を建て替えて市民ホールを設置、B案は校舎をリノベーションして観光や生涯学習、スポーツの拠点とするなどの構想が示されている。
18日に同校で行われた発表会には、市民ら約50人が参加。
A案では、伏虎中跡地が民間で進めるまちづくりのスタートになるよう願いを込め、施設名を「和歌山0番丁」と命名。大樹の切り株のような大胆な建物デザインで、周辺の景観に配慮して高さを抑えている。施設外には、市民の憩いの場として広い芝生エリアを確保し、キッズスペースや県内産の野菜や果物、魚を販売するマルシェを設置する。将来的に起こる市民のニーズの変化には、増改築を行い対応することを想定している。
B案では、建物をリノベーションし、1階に地場産品を販売するマルシェを設置する他、カフェ、託児所、子育て教室などのスペースを確保。2階には、音楽スタジオや図書館、和歌山城が眺められる展望浴室を設けた。3・4階は、スポーツ用貸しコートやフィットネスクラブ、フリークライミングなど体を動かして楽しむフロアとし、学習室なども設けている。
県と市が誘致の議論を進めている県立医科大学薬学部の設置は両案に盛り込まれていないが、その理由ついては、「大学誘致を否定するものではなく、自分たちがやりたいことを詰め込むとスペースが足りなくなった」と説明している。
2案の完成を受けて橋本共同代表(52)は「今後も行政案を否定するわけではなく、施設を活用する市民一人ひとりが、本当に必要な施設となるように、市や市議会に要望を伝えていきたい」と話していた。