高速沿道の広告規制見直しへ 景観審議会
県内高速道路沿道(中核市の和歌山市を除く)の屋外広告物の規制見直しを審議する県景観審議会(会長=西村幸夫東大大学院工学系研究科教授)が9日、和歌山市友田町のホテルグランヴィア和歌山で開かれ、9人の各分野の専門家らが、景観に関して議論を深めた。
県屋外広告物条例では、高速道路沿道300㍍の範囲内について屋外広告の設置を禁止しているが、県の調査では、野立て看板など70~80枚程度の設置が確認されているという。
県は現行条例の見直しに向け、周辺の景観との調和や、分かりやすく統一感のある案内広告物など一定の基準に適合するものは設置を認める方向で同審議会に議論を諮っている。現在の違反広告については、本年度内に撤去するよう業者に促していく考え。
今後は、同審議会の下に県景観審議会屋外広告物専門委員会(仮称)を設置して条例改正の具体案を検討し、パブリックコメントなども実施した上で、来年2月にも改正内容を県報などで公告し、4月の施行を目指す。
この日の審議では、違反広告物に対する措置命令などの権限が、知事に代わって各市町の首長に移譲されていることから、「自治体によっては担当が少ないこともある。本当に県内一斉に対応できるのか」と疑問視する意見もあったが、県側は「各自治体がバラバラの対応では不公平感が生まれるので、4月までの目標で撤去していきたい」と強調した。
西村会長は「このような問題は広く県民に知ってもらわないと理解が広がらないので、強い情報発信をお願いしたい」と今後の議論の高まりを期待した。